ルリとクロが学校に着くと、そこではすでに三人のクラスメイトが二人を待っていました。
この三人、実は談話館の住民に負けないくらいに個性的な面々です。
「おはようございます。桜時さん、刻鶯さん、戯雅さん」
「お~はよう~る~り~ちゃん~」
なぜかオペラ調で挨拶を返してくる『桜時かさね』さん。
「今日も傑作だね! 最高だね! 笑えるね! あっはっは!!」
なぜか意味もなく笑う『刻鶯つかさ』さん。
「お主は本物のルリでござるか? 偽物にすり替わっているという可能性も考えられるでござる……」
なぜか語尾がござるの『戯雅ゆうび』さん。
「相変わらずみんなぶっとんでるねえ!」
けらけら笑うクロ。
「あなたに言われたくはないと思いますよ?」
「あたしは~いずれ世界で~活躍する歌手~になるのだから~」
「日ごろから練習をしなければならない、と言いたいのですね」
「先に~いっちゃいや~」
「失礼しました。けど、あなたならなれると思いますよ」
「ありがとう~ルリちゃ~ん~お礼に一曲~」
「結構です」
長くなることがわかりきっていたので、ルリはすぱっと切り捨てます。
「あっはっはっは! あっはっはは!」
「刻鶯さん? 何がそんなに楽しいのですか?」
「楽しいからさ!」
「はあ、そうですか。よくわかる理由ですね」
「冗談だよ冗談! 楽しいから楽しいってことさ!」
「さっきと変わってないですよね」
「あっははははははは! ルリちゃんは冷静だなあ! だめだよー。笑わなきゃ!」
「人には向き不向きというものがありまして」
「ルリちゃんが笑ったらきっとモテモテだよ? 笑えるね!」
「なぜですか」
憮然とするルリの頭を、ござる口調の戯雅さんが撫でます。
「うーん。この小学生のような背丈……」
「なんでしょうか」
さらに戯雅さんはルリの胸部に手を這わせます。
「うーん。そしてこの発育不全……」
「……あなたはどこでわたしをわたしだと判断しているのですか?」
「そしてこの抱き心地……お主は本物のルリちゃんでござるな!」
「だからどこで判断を……」
ルリはあきれて続く言葉が出てこなくなりました。
「おお! これがいわゆる百合という奴だね!」
「クロ、あなたが話すとややこしくなるので黙っていてくれませんか」
「安心するといいさ! 俺様くんと抱き合えばそれは百合じゃないよ!」
「……どこかに行ってくださいますか?」
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